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その土地買って大丈夫?

不動産を買いたい

ここ数年は災害が大規模に発生しております。住宅購入には、災害が発生した場合を想定し、事前に規制されている地域なのかも確認しておく必要性が高まっています。崖地等、災害が発生するおそれのある土地に住宅を企画する場合には、災害防止の観点から十分な安全性を確保できるよう、対策が必要となります。

 各種法令には宅地造成に関する規制があるので、企画にあたっては、まず、対象地が、災害危険区域・宅地造成工事規制区域・造成宅地防災区域・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域・土砂災害特別警戒区域のような規制がかかる区域に該当するかを確認し、該当する場合には、その規制内容を調査しなければなりません。

 たとえば、宅地造成工事規制区域内で、切土で高さ2mを超える崖を生ずる工事や、盛土で高さが1mを超える崖を生ずる工事を行う場合には、知事等の許可が必要となります。

 また、造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域外の土地で、すでに造成された一団の宅地のうち、災害が発生するおそれが大きい区域について指定されますが、この区域内の造成宅地の所有者等には、災害防止のため擁壁等を設置する等の義務が生じることになります。

 地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域内の土地については、切土や工作物の設置等を行う場合等には、知事の許可が必要となりますし、土砂災害特別警戒区域内で住宅宅地分譲等の開発行為を行う場合にも、知事の許可が必要となります。

 その他、災害危険区域、砂防指定地、河川保全区域、保安林及び保安施設地区に該当する場合にも、行為の制限や知事の許可が必要となる場合があるので、内容を確認することをおすすめします。

 大規模盛土造成地とは、谷等を埋めて平坦を確保した3,000㎡以上の造成地や、急傾斜地で盛高さが5m以上となる造成地をいいます。

 阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などでは、大規模盛土造成地で地盤が滑動崩落する現象が起き、甚大な被害が生じたため、こうした土地で住宅を企画する際には注意が必要となります。

 大規模盛土造成地に該当するかどうかについては、大規模盛土造成地マップを公表している自治体もありますので、ご参照ください。

 重要事項説明でこういった情報も知る事になるかとは思いますが、内見の時にはご希望エリアがどういった規制があるかは事前に調べておいた方が良いかと思います。※もちろん弊社、栄商事でもお調べできますので、お申し付けください。

安売りしている土地の理由(43条但書き)

 時々、目を引くような安さで売り出されている土地が出てくることがありますが、「堀出しものだ!」と普通は思うのでしょうか。この業界に慣れてしまうと、「訳あり物件だろうな・・・」とまず疑ってしまいます。

 過去の事例ですが、新築戸建で相場よりも安い物件がありました。お客様へご紹介しようと思い、イレギュラー要素をチェックしていたところ、やはりありました。備考欄にさらっと「43条但書き」との記載を発見しました。

43条但書きとは?

建築の際は大前提として、建築基準法で「建物を建築できる土地は、建築基準法上の道路と2m以上接していなければならない」という定めがあります。この原則に対して、「ただし」で始まる例外規定があります。

建築基準法第43条により、「ただし(中略建築審査会の同意を得て許可したもの」については、建築を認められることになります。例えば新築建物ですと、直近で建築審査会の同意がとれた土地だと判断できます。

ただし、これが次に建てるときにも許可が取れる保証にはなりません。

建築審査会の同意取得については、各ケースに応じて必要な書類や手続きが異なりますが、近隣住民の承諾書が必要なケースもあります。今現在の近隣の方はご協力いただける方々だったかもしれませんが、次回建替えをする際には、世代も変わり、持ち主も変わり、どんな関係になるかわかりません。

「建替えないから大丈夫」という意見の方もいらっしゃいますが、地震や火災など、意図せずに建物が滅失してしまう可能性もあります。不動産は高額な買い物です。ご予算との兼ね合いも大切ですが、しっかりとリスクを把握したうえで検討するようにしましょう。

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