住宅ローンを借りるときに「団体信用生命保険(団信)」に加入することを求められます。これは住宅金融支援機構の「フラット35」以外で組む場合は必須のものになります。これは住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になったときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。完済された後は、住宅ローンの返済が不要になります。
保証料は一般の民間金融機関ではローン返済の金利に含まれていますが、フラット35や一部の住宅ローンではローン返済と別に保険料を支払う必要があります。
基本的には死亡または高度障害状態になったときに適用されますが、これに加えて、支払う金利を上乗せして、特約という形でいろいろな病気やケガなどを保障するサービスも増えています。
がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患
がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全
選択肢が多い分、選びにくかったり、わかりにくかったり、その保障が本当にお得かどうかを見極める必要はありますが、最大のメリットとしては生命保険の代わりとして特約を付ける事で、通常の生命保険に加入する必要がなく、場合によってはお得になるケースがあるということです。
団信(特約)の種類
特約のある団信の一例は以下の通りです。
- 新3大疾病付き機構団信(住宅金融支援機構「フラット35」)
- 団信革命(りそな銀行)
- 7大疾病保障(三菱UFJ銀行)
- 3大疾病保障付き団信(みずほ銀行、ソニー銀行など)
- 全疾病保障奥さまワイド(静岡銀行、三井住友信託銀行)
- 8大疾病就業不能保障(楽天銀行、イオン銀行)
- 全疾病就業不能保障(住信SBIネット銀行)
- がん保障付き団信(じぶん銀行など)
- 11疾病保障団信(じぶん銀行)
ここでは詳しい内容や支払いの条件の説明はここでは省略しますが、多くの場合、特約の保険料として住宅ローン金利に0.2~0.3%上乗せされます。
3000万円で借入したとしましょう。
35年ローン・金利0.5%で考えた場合、月々の住宅ローンの返済は90,854円/月となります。一方、金利を上乗せした0.8%だと、95,571円/月となり、差額は約5,000円弱となります。35年間で計算すると5,000円×12ヶ月×35年=2,100,000円と、約200万円が上乗せになる計算です。
昔と今と比べて医療レベルは飛躍的にあがり、生命保険も死亡保険ではなく、医療保険を充実させる方向にシフトしております。死亡してしまうリスクよりも、どちらかというと病気が完治する、もしくは病気と付き合いながら生活をしていくケースが増えており、2人に1人がガンになるといわれている時代です。そこで問題になるのは今の住んでいる家を不安なく確保しながら、継続して就業し、収入レベルを落とさずにローンの返済をしていけるかどうかではないかと思います。
今日現在では住宅ローンの金利も安く、金融機関でも競争が激しい状態です。すでに住宅ローンを借り入れている方も特約の内容を検討して、ローンの組み換えなども検討してもよいかもしれません。
住宅ローンは金利のことに目が向きがちですが、長い間の返済計画の一つとして、今回のようなことも考えてみてはいかがでしょうか。
もし、皆様の周りで賃貸契約・各種計画に関するトラブル・お困り事、あるいは、不動産全般に関するご相談がある際は、私たち不動産エージェントがお力になれますので、一度ご相談いただければと思います。
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