不動産屋はどのような手数料を頂戴して商売をしているかご存知でしょうか。不動産屋という不動産業はいくつか種類がありまして、皆様にアパートの紹介や土地建物の売買をお手伝いする、いわゆる仲介と呼ばれる商売は宅建業を営んでいる不動産屋となります。
不動産業には、売買、仲介(「媒介」ともいわれます)、賃貸(土地や住宅・ビルの大家)、管理(分譲マンションの管理、賃貸物件の管理等)など、様々な業種が含まれます。
一方、宅建業は、不動産業のうち、売買や仲介といった取引(流通)を取り扱う業種のみが含まれ、(1)自らが行う宅地や建物の売買や交換(2)売買や交換、貸借をするときの代理や媒介を業として行うものをいいます。例えば、大家さんから依頼を受けて行う貸借の仲介(入居者募集など)は宅建業に含まれますが、自らが行う貸借(貸しビルやアパート経営をする行為など)は宅建業に含まれません。
この宅建業は、「宅地建物取引業法」(宅建業法)という法律の規制によって、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた者でなければ営むことができません。国土交通大臣免許か、都道府県知事免許かは、事務所(本支店等)の設置状況によって決まります。宅建業の免許の有効期間は5年です。
つまりは売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人をお世話する仲人みたいなお仕事です。このお仕事でもらえる報酬を仲介手数料と呼びますが、もらえる上限は宅建業法で決められており、賃貸の場合は貸主と借主から合計賃料1ヶ月分、売買の場合は大まかに買主・売主それぞれ3%+6万円が受け取ることのできる仲介手数料の上限となります。そしてこの仲介手数料をもらえるのは成功報酬とされています。
そのため、途中までお世話したものの成約に結びつかなかった場合は、いくら時間と手間をかけたとしても手数料をいただけません。不動産屋としては成約に結びつかないとただ働きとなってしまうので、成約に結びつく可能性が低い場合はあまり仕事をしたがらないのが実情です。例えば「とりあえず物件見せて」とか、「いつ引越するかわからない」等、明確な意思が見えないお客様は正直、あまり時間が割けません。
私どもで考える好ましい仲介は仕事を依頼する不動産屋がどのような会社で、スキルがしっかりとあるか、どのようなことをしているか理解してもらって、できるだけ早く関係性を構築することだと思っております。
不動産屋も純粋に宅建業だけ行っているケースもありますが、宅建業法の規制がかからない不動産管理業や仕入れ売買、不動産コンサルティングなども合わせて複合的に展開している会社が多いでしょう。