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不動産の仲介、管理、相続や運用のサポートを行っている株式会社栄商事です。

土地や戸建て住宅などの売却可能な不動産をお持ちの方、または、それらを相続する見込みのある方。

その不動産の「確定測量図」はお持ちでしょうか?

一般的に、土地や、土地を含む不動産を売却するにはこの「確定測量図」が必要です。

確定測量図は簡単に言うと、その土地と隣接地との境界を明確にし、実測により、その土地の現況での敷地面積を示したもの。

この確定測量図の準備の有無が、将来の相続や売却に大きく影響します。

この記事では、そんな「確定測量」について、詳しく解説いたします。

●確定測量とは?

その土地と、全ての隣接地との境界について、隣接所有者の立会のもと、境界確認を行う測量のことを確定測量と言います。

隣接所有者とはつまり、土地が接しているお隣さんのおうちの所有者です。

確定測量図があるということは、その土地に関しては全ての境界が確定済みであり、境界に関する争いがないことを意味します。

不動産の売り主には境界の明示義務があります。

ところが、「確定測量図」の明示が義務ということではありません。

売り主が認識している境界を明示するだけでも、取引をすることはできます。

とは言え買い主にとっては、境界に争いが無いかどうかは重要なポイント。

一般的には、境界が確定していない物件は購入されづらいです。

確定測量をしなければ、土地や戸建ての売却ができないと言っても過言ではないでしょう。

そして、似たもので、法務局で取得できる「地積測量図」というものも存在しますが、こちらは境界が確定された図面とは限らないので注意が必要です。

確定測量は、民間の測量会社(土地家屋調査士)に依頼し、取得します。

また、分譲された土地や建売住宅の場合、購入時に売り主から確定測量図が引き渡されていることが一般的な為、既に確定測量図をお持ちの方もいるでしょう。

その場合は、売却のために新たに確定測量を行う必要はありません。

一度、確認してみて下さい。

●早めに確定測量をするべき理由

まず、確定測量図の作成には時間がかかります。

特に境界での争いも無く、スムーズに確定できた場合で2~3ヶ月

境界の確定状況や、関係する地権者(隣接地)の数によっては、半年以上かかる場合もあります。

売却したいタイミングですぐに売れない、ということになりかねません。

また、確定測量の費用は、これも関係する地権者の数によりますが、大体50万円~100万円程度かかります。

例えばお子さんに実家を相続する場合、生前に確定測量をしておかないと、いざ売却となった時にお子さんが費用を工面することになります。

相続税はかかる、維持費もかかる、売却するにもお金がかかる…

良かれと思って遺した土地や家が、逆に負担(負動産)とならないよう、しっかりと事前準備をした上で引き継いであげられると良いですよね。

その不動産を売るにしても、活用するにしても、確定測量図は、その不動産の価値を最も正確に表すデータとして、所有者のお守り代わりになるでしょう。

ぜひ、早めの確定測量の実施をご検討下さい。

●確定測量をしなければ…?

確定測量をしないことのデメリットはおもに3つです。

・価値が下がってしまう可能性

前述のとおり、確定測量図そのものには明示義務はないため、買い主との合意さえあれば、売り主の認識での境界の明示のみでも売買は可能です。

ただし、実際よりも低い価値で明示してしまう可能性もありますし、土地の境界が曖昧な状態では買い主にリスクが有るため、相場より安値での取引になる場合もあります。

本来1000万円の価値があっても、200万や300万になってしまうケースも。

そうなると、確定測量の費用50万円~100万をかける方が良いですよね。

・ご近所トラブルの危険性

隣地所有者の立会が必要な確定測量では、ご近所同士、日頃から交流があると話がスムーズに進みやすいです。

しかし、特に相続の場合、先程も出た、子が親の実家を相続する場合も含め、相続対象の不動産の近隣に住んでいない場合も多いでしょう。

知らない人と、いきなり土地の境界について話し合いをするというのは、なかなかハードルが高いものです。

トラブルになるのも怖いですよね。

そうした点からも、相続の場合はできるだけ生前に、ご近所さんとの関係性ができている所有者本人が交渉されることをおすすめします。

・争族となるリスク

もしも1つの土地に複数の建物があり、相続人も複数人いる場合、土地の境界がはっきりしていなければ、遺産分割でトラブルになる可能性があります。

確定測量をし、境界を明示、前もってその分け方を記しておくことで、争うことなく、円滑な遺産分割が可能です。

+@ 補足:

確定測量の結果、土地の面積が大きくなるケースでは、更正登記(登記内容に間違いがあった場合に訂正する登記のことを指す)を行います。それに伴い、固定資産税負担が大きくなることも。。。

※すぐに売却する場合は特に問題ありませんが、不動産を所有する場合は、固定資産税負担が大きくなってしまいます。

固定資産税負担増加を防ぐ対策として、周りとの”境界のみ”の確認を行い(合意のみを取る)、あえて更正登記は行わないという選択を取ることが多いです。

●確定測量をするメリット

確定測量をすることのメリットは、

・その不動産の正確な土地面積を確定することで適正な評価額を算出し、適正な売買や納税ができる

・土地の境界を明らかにすることで、遺産分割がスムーズにでき、それぞれが自由に売却や活用をできる

・今、売却するつもりがなくても、いざという時にすぐに売却しやすい

・土地を活用(賃貸)する際、借り主との調整時に、測量で得られる客観的な数値をもとに交渉を⾏うことで、トラブルになりにくい

などが挙げられます。

不動産における相続対策では、対象不動産の適正な評価と、トラブルやリスクの回避が不可欠です。

確定測量を行うことは、得をする為と言うよりは、損をしない為、トラブルにならない為の予防という意味で、非常に有効な方法であると言えます。

●まとめ

確定測量とは、隣接地との境界を確定し、その不動産の価値を最も正確に判断するための測量です。

不動産売却時には、殆どの場合、確定測量図が必要になります。

今のところ売る気がなかったとしても、予め準備しておくことで、いつでも売りたい時に売りやすくなりますし、相続時や相続後も、引き継いだ人が困らなくて済みます。

将来、もしもの時はいつでも売ることができる資産として、その価値を正確に把握し、伝えることも、相続では大切ではないでしょうか?

これから不動産を売却する方はもちろん、相続する不動産をお持ちの親御さん、それを引き継ぐ子どもさんも、まずは対象不動産の確定測量図があるかどうかを確認してみて下さい。

無い場合には、確定測量の準備をすることから始めましょう。

とはいえ、どんな業者に頼んだら良いかわからないなど、色々ご不安もあるかと思います。

栄商事では、不動産相続に関するご相談も受け付けております。

どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。