一般的にな不動産を所有するオーナーさん(大家さん)のイメージはお金持ちというイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
では実際に儲かるかというと、世間一般のイメージよりは正直そこまで儲かりません。すでに土地を所有されている場合はまだしも、土地を仕入れてから建物を建ててアパート経営をするということになるとかなり厳しいことになると予想されます。
アパート経営の提案をするうえで、利回りを想定して計画をするわけですが、気持ち的には表面利回り10%、実質利回り8%を期待したいところです。利回りは(期待される収益/建築等のコスト)×100でパーセンテージが算出されます。
期待される収益は主に賃料になりますが、計算上はファミリー向けの部屋より、ワンルーム系の方が期待される収益を増やせます。例えば単純に60㎡で2LDK,12万円1部屋と、20㎡で1K6万円を3部屋=18万円だとワンルーム系の方が収益は増えることになります。
建築等のコストを下げるには建物のグレードを抑える、廉価で建築可能な建築業者に依頼するなどがありますが、競合相手となる同じ間取り・築年数の物件に負けないためには大幅にコストを抑えるのが難しいのではないでしょうか。
つまり利回りを上げるには収益を増やす、もしくはコストを下げることが必要になります。この時点ですでに土地を仕入れて建物を建てるのは厳しいということが理解できると思います。
ここ10年近くは東日本大震災以降、建物の資材・部材が高騰を続けており、人件費も上昇を続けております。建築のコストがかなり高くなっています。また、借りる側もご存知の通り、年収の中央値は下がり続けております。
近年ではワンルーム系を規制するために「1戸あたりの床面積を最低25㎡以上にすること」や、「ファミリー向けルームを混在させること」などがあります。ここ大船駅周辺もそうですが、ワンルーム系のアパート、マンションの建築が多く、ファミリー向けの建物があまりありません。政府の統計によれば単身世帯は増加を続けていて、今後も増えると予測されてはいますが、それは65歳以上が増えることが予測されていて、若者は少子化により絶対数が減少していきます。また、ファミリー向けの物件になると今は住宅ローン金利がものすごく安いので、場合によっては毎月支払う賃料より購入した場合の月々の返済額の方が安くなってしまう逆転現象のようなことも起こります。
以上のことから、賃料をそこまで高く設定が出来ない&建築コストを抑えられない=利回りが上がらない=あまり儲からないということが理解頂けると思います。
なので、どちらかというと利回り追求で賃貸経営を行うというよりは相続対策で行うケースの方が増えているのではないでしょうか。